「ジョブ型雇用」と「メンバーシップ型雇用」の根底に流れるメンタリティ。

人事の流行「ジョブ型雇用」の誤解 成果主義や解雇と直結? 佐藤博樹・中央大学ビジネススクール教授に聞く/弁護士ドットコムニュース

ただし「ジョブ型」は、こうした課題をすべて解決する万能薬ではありません。「成果主義」と「ジョブ型」雇用を同一視している企業も見られます。理念型としての「ジョブ型」雇用では、賃金は担当する職務で決まるいわゆる職務給で、成果で決まる訳ではないのです。「ジョブ型」雇用の流行から、社長の「鶴の一声」で、ジョブ型まがいの制度を導入した、という企業すらあります。

日本企業のうたう「ジョブ型」はほとんどの場合、社員が担当する職務の範囲を明確にしただけで、そこに誰を配属するか、という人事権は企業が握っています。これではジョブ型雇用には該当しません。欧米企業の「ジョブ型」雇用では、職務や勤務地を選択するのは社員です。

引用/人事の流行「ジョブ型雇用」の誤解 成果主義や解雇と直結? 佐藤博樹・中央大学ビジネススクール教授に聞く/弁護士ドットコムニュース(外部リンク)

1930年代のアメリカで大規模な「職務分析」が行われ、職務や職業が定義されたらしい。しかし、だからと言って、生物学の分類のように、職業に明確な定義がわるわけではない。ほとんど同じような仕事内容でも、会社によっては「営業」と呼び、あるいは「コンサルタント」と呼び、あるいは「プランナー」と呼び、あるいは「プロデューサー」と呼ぶ。

同じように「ジョブ型」「メンバーシップ型」といった組織の在り方の類型も、観察の結果、「そういう傾向がある」というものであって、白黒明確に「ジョブ型」「メンバーシップ型」と分かれるものではないだろう。

とはいえ、確かに傾向はあるわけで、「選択の自由が企業と労働者のどちらにあるか」「教育・育成の責任は企業と労働者どちらにあるか」といった視点で「ジョブ型」「メンバーシップ型」を改めて比べてみるのはわかりやすい。そして、こうやって比べるほど、時代はやっぱジョブ型だろうなと感じる。

「メンバーシップ型」の内在するメッセージは次のような感じだろう。

「私たちはあなたを仲間と認める。これから私たちはあなたの職業生活を最大限に保証する。職業に基づいた生活基盤も保障する。おおよその人生プランも保障する。教育もチャンスも与える。失敗しても簡単に見捨てたりはしない。だから全てを捧げて組織に尽くしてくれ」

対して「ジョブ型」はこうである。

「私たちは今、あなたにやって欲しいことがある。もしそれができるなら是非お任せしたい。その分の報酬は充分に支払う。目標達成してくれるなら他の細かいことは気にしない。ただし出来ないなら、そこで終わりだ。他の人にチャンスがいく。この話に乗るかは自分次第。どんな人生を歩みたいかも自分次第。組織はあなたを無駄に縛り付けたりはしない」

さて、あなたはどちらの組織で活躍していきたいだろうか。

文責/夏生 隼成

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