採用選考時の「オーバースペック落選」は存在する

「経歴はスゴい」がなぜか転職できない人の盲点/東洋経済

「オーバースペック」は体のいい断り文句

人事の世界では、「絶対に採用してはいけないタイプ」があります。それは「優秀な悪い人」です。優秀な悪い人は悪知恵を働かせ、場合によっては嘘でもなんでもついて、組織や事業のためではなく、利己的に行動します。たった1人の不誠実な人を採用したがために、組織がめちゃくちゃになる危険があるわけです。例えば、そういう「優秀な悪い人」は、自分の地位を守るために優秀な人材が応募してきたら面接で落としたりしますし、逆に自分を支持してくれるような自分に従順な人材を多少能力が低くても強引に採用したりします。

また、事業上では、高い目標を立てると達成しにくくなるためにいろいろな理屈をつけて低い目標の正当性を訴えたりします。また、さらに悪質な人になれば、上司のポジションが空くのを狙って、上司に汚点がつくような失敗をわざとしてみることもあります。これらはすべて組織にとっては大きな背任行為ですが、なかなか気づくことはできません。冗談だろうと思われるかもしれませんが、すべて実際に見聞きした事例です。私自身も恥ずかしながら、以前、経営する会社で同様の経験をしました。・・・(全文は下記引用元参照)

【引用元】:「経歴はスゴい」がなぜか転職できない人の盲点/東洋経済

記事の最初の論調は、とても会社寄り/人事寄りに書いてある。前半だけ読めば、個人的に好きじゃないタイプの記事だった。ただ、後半からは誠実に「経歴はスゴイのに採用されない人」に歩み寄ろうとしていると感じを受ける。とはいえ全体の論調としては、「経歴がスゴイのに転職できない人」についてはネガティブな気がしてならない。この記事の寄稿者が「私自身も恥ずかしながら、以前、経営する会社で同様の経験をしました。」と実際に狡猾な転職者から被害を受けているから、そのようなスタンスを取っているのだろうか。

個人的に、このような「読者の救いのない記事」というのは好きじゃない。この記事を読んでも、「経歴がスゴイのに転職できない人」は、ただただ批判され、辱められただけで前向きに一歩を踏み出せないだろうと感じる。しかも後半部分の解決策に「性格」をクローズアップしている点が、日本のメンバーシップ型雇用の抱える欺瞞じゃないかとすら思うのだ。なぜなら、この書き方だと「あなたの性格が悪いから受からないんです」と言っているに等しく読み手に伝わってしまうからである。選考基準に安易に人格否定を持ち込むのは世の中全体としてもよろしくない。どうせ人格問題を持ち出しても悪人には伝わらないのだ。むしろ善人が傷つく。善人をさらに追い込んでもしょうがないではないか。

だから、あえて今回この記事を取り上げて、マジョリティの善人な転職者のために補足したい。「あなたの性格が割るわけじゃないですよ」と。現実はもっとシンプルですよ、と。完全な統計を取っているわけじゃないが、人材業界に15年身を置いてきた私自身の肌感覚として、オーバースペックで転職に失敗している人は実際のところ沢山いる。べつにそれは誰が悪いわけでもない。理由も簡単明瞭である。受け入れる側(=会社、人事)がその人を使いこなせない(=上手に評価できない)からである。

「エンプロイアビリティ」という言葉がある。「雇用され得る能力」のことだ。なんて卑屈なメンタリティの能力なのだろう、従属される能力って…苦笑。閑話休題。話を元に戻して、こう発想したらいい。ライオンやチーターや熊のエンプロイアビリティはどれほどだろうか。豚や牛や鶏のエンプロイアビリティと比べてどうだろうか。答えは明白である。しかし間違えないで欲しい。ライオンやチーターを手名付けられる人(≒会社、人事)だっているという事実を。

この理屈がわかれば解決策も自ずと導かれるというものだろう。「能ある鷹は爪を隠す」じゃないが、従順なふりをすればいいのである。実際に私の周りには、前職の年収を数百万円低く伝えたり、輝かしい受賞歴をあえて経歴書に書かなかったり、役職を2段階ぐらい落として記載したりすることで、内定を勝ち取った人が、かなりの数いる。大して実績を持たない人たちにとって、肉食獣のような輝かしい経歴は「妬み・嫉み」あるいは「恐怖」の感情しか生じないことも「優秀な転職者」なら配慮してあげるべきだろう。

文字通り「経歴がスゴイのに転職できない人」に当てはまる、そこのあなた!それ以上、自分を大きく魅せようとするのは逆効果なのですよ。もっと相手の立場を考えて、ちょうどいい感じの自分自身に調整・調律して、あなた自身をアピールしてみてください。きっと状況は大きく改善するはずです!

(文責/夏生 隼成)

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